【人工腎臓の歴史 】
人工腎臓の発展は、1955年の朝鮮戦争による戦傷を負ったアメリカ兵の クラッシュ・シンドローム(挫滅症候群)に伴う 一過性の急性腎不全に対し、野戦病院に救命のために 人工腎臓班を設置し、効果を発揮した。 殺人を伴う戦争の中で、透析治療の効果が 証明された事は、皮肉なことですね。 |
透析治療の発展には、人工腎臓の開発・発展だけではなく、 周辺の技術・外シャント・内シャント等の発展も、 大きな要因として欠かすことが出来ません。
次の表には、主な業績を取り上げてみました。
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年 代 | 功績者名 |
内 容 |
1913年 | Abel | 実験的に透析。血液は透析によって浄化されることを実証する。 |
1925年 | Howell | 坑凝血剤ヘパリンを発見し、完全な実験を可能にする。 |
1928年 | Ganter | 患者自身の腹膜を利用、今日の腹膜灌流の基礎を開く。 |
1937年 | Thalhimer | ヘパリンとセロファン膜を使用しての実験的人工腎臓。 |
1943年 | Kolff | 回転ドラム型人工腎臓開発(第二次世界大戦中)。史上初の臨床応用に成功する。 |
1947年 | Alwall | コイル型人工腎臓。 |
1948年 | Skeggs | 積層・プレート型の透析装置を考案し、後のKill型の基礎をつくる。 |
1956年 | Kolff | 二重コイル型人工腎臓。使い捨て装置の開発と人工腎臓の一般化。 |
1960年 | Kill | Kill型人工腎臓を完成する。 |
1967年 | Lips・Stewart | ホローファイバー、中空糸型の透析器の開発(現在使用されている型) 。 |